暮らしを支える医療を目指して
病気になれば、その治療が優先され、今まで通りの暮らしができなくなることが多々あります。治る見込みのある病気であれば、ある程度の期間、治療に専念することは必要でしょうが、長期的な病気(慢性疾患や障害など)になると、暮らしを犠牲にして治療を続けることに苦痛を感じる方もおられるのではないでしょうか。
在宅医療では、その方の生活の場におじゃますることで、従来の通院医療では見えなかった「暮らし」の部分が非常によく見えます。その方のこれまでの人生や、今の暮らしの場に即した医療の提案を行い、治療方針の決定には患者さん自身の意向を尊重すること、すなわち、「医療」と「暮らし」のバランスを考え、「暮らしの邪魔にならない医療」をいかに思い描けるかということが、在宅医療の醍醐味と感じています。
私は、医師になって20数年になります。これまでいろんな科を幅広く経験してきた中でも、特に精神科医療に携わってきた年月が長く、精神科医療の三本柱である「精神療法」「薬物調整」「環境調整」というものを大切にしています。ひとりの人を理解する際に、「生物学的」「心理学的」「社会学的」な側面からアプローチするということも大切で、この考え方は、在宅医療に携わる上で非常に重要と考えています。
加えて、看護師、理学・作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、介護士、ヘルパー、社会福祉士、ケアマネジャーなどの専門職のみなさんと連携し、意見交換することで、いろんなアイデアが浮かび、適切なサービスの提案・提供に繋がるという体験を日々させて頂いています。
だれしも命の終わりを迎えるときが必ずやってきます。その時に、自分だったらどんな医療を受けたいか、どこで過ごしたいか、その選択肢のひとつに、在宅医療があることを、ひとりでも多くの方に知って頂けたら幸いです。
まだまだ発展途上ではありますが、みなさんと共に学び、えびの市の在宅医療を充実させ、邪魔にならない程度に、暮らしを支える存在になれたらと思っています。
さんさんクリニック 院長
小川 えみ
精神保健指定医
日本医師会認定産業医
平成13年3月 | 宮崎医科大学医学部卒業 |
---|---|
平成13年5月 | 医師免許取得 |
平成13年5月~ | 宮崎県他にて外科、眼科、内科の研修 |
平成15年5月~ | 九州大学病院心療内科に入局 福岡県他の内科、心療内科、精神科病院勤務 |
平成24年5月~ | 福岡県内にて心療内科、精神科、一般内科として地域医療に従事 |
令和5年5月 | えびの市において「さんさんクリニック」を開業 現在に至る |
末川 淳一
● プロフィール
宮崎県えびの市生まれ
昭和61年4月から令和5年3月末まで地方公務員
令和5年4月1日より、さんさんクリニック事務長就任
(※令和4年10月、認定医師秘書取得)
● ひとこと
生まれ故郷に貢献したいと考え、前職を早期退職して、さんさんクリニック立ち上げと同時に事務長に就任しました。
前職と相通じる部分が多くあり、やりがいを感じています。
予防・治療・検診を通して、患者さまが健康で活力ある人生を送れますようにお手伝いをさせていただきたいと考えています。